蟹江町各地区「まち歩き」の記録です。画像をクリックしていただくとblog版の記事に移動できます。
蟹江町内の各地区をそれぞれ歩いた記録です。当時は現存していましたが、その後に取り壊された建物も多くあり、今となっては懐かしさを感じる風景もあって、僅か10年ほどで、これだけ町並みが変化していくのかと驚いています。
津島に次いで海部郡第2の都市として栄えたのが蟹江本町です。室町時代の永享年間、この地に蟹江城が北条時任により築かれたと伝えられています。戦国時代は伊勢湾に臨む重要な拠点として蟹江城はこの地域随一の規模を誇った城郭だったようです。江戸時代以降は蟹江川河口に位置し、商業都市として発展、伊勢湾交易港として「尾張四湊」の一つとして栄えました。尾張名所図会「蟹江川」の項に代表されるように蟹江神明社、西光寺、安楽寺一帯、蟹江川に架かる昇平橋を中心とした界隈は六斎市の定期市が開かれて賑わいました。明治以降も蟹江町の政治・経済・商業・娯楽の中心地として蟹江町役場庁舎が移転する昭和40年代まで栄えてきた地区です。
蟹江新町・今地区です。両地区とも隣接する須成・蟹江本町地区の都市部に隣接する「新たに開発された」農村部地区として重要な位置を占めてきました。交通の便に恵まれ、土地整備が行われた昭和40年代以降は、都市化が急速に進んで、商業や住宅地として成長が著しい地区でもあります。
舟入地区です。かつては蟹江漁港があり、港町として栄えた地区です。元々「舟入」という地名は、旧蟹江本町替地と旧西福田地区の通称名で、一村立ちした村名ではありません。江戸時代は蟹江本町地区の枝郷としての扱いでした。江戸時代は尾張三湊の一つとして栄え、鉄道開通の明治以降は伊勢湾漁業の拠点港として昭和37年漁業協同組合解散まで由緒ある港町として賑わった地域でした。
蟹江町最古の歴史を有する須成地区です。須成の地名の起こりは定かではありませんが、洲成り・沙成・砂成となり、現在の「須成」となったようです。鎌倉時代から富吉荘に編入されていたようです。地区内の須成神社・龍照院は、奈良時代に行基菩薩により建立されたと伝承され、平安時代末期には木曽義仲の縁のあった社寺として栄えたようです。天正12年の蟹江合戦により龍照院一帯は灰燼に帰しましたが、江戸時代は、定期市の六斎市も開かれるなど門前町として栄えた地区でした。その歴史由来から、国や町から文化財指定されている多くの歴史的な資料が継承されている地区でもあり、特に地区が総掛かりで執り行う夏の祭典「須成祭」は国重要無形民俗文化財に指定されています。
西之森本田と北新田地区です。地名は蟹江城や須成神社に位置する「西にある森」の意とされています。天正14年と推定される織田信雄朱印状に「かに江ノ郷内、西ノ森」と見え古くは蟹江郷に属してことが知られています。農業景観が広がり、長閑な農村地帯でしたが、南北に西尾張中央道、東西に東名阪道蟹江ICが交差するなど、交通の便に恵まれた地区として、近年都市化の著しい地区となっています。
源氏才勝地区です。元々は西之森の本田に対して出郷(枝郷)として築かれた地区でした。写真は源氏塚、これは平治の乱に敗れた源氏の棟梁である源義朝一行が敗走する際に、この地に船を留めて休息したことに因んだようです。サイカチの地名は、サイカチの木々が群生したことに名付けられたようです。昭和50年代に蟹江町役場や付随する体育館、公民館などが移転建設され、蟹江町の政治や文化の拠点、また西尾張中央道が南北に通るなど交通の便も良く、蟹江本町地区を凌ぐ商業地域として発展している地域でもあります。
蟹江新田・新千秋地区です。蟹江新田は寛永13年に開墾された地で、元禄7年に縄入り検知のあった一村立ちの新田村です。本郷は日光川両岸(大海用)にあり、枝郷に芝切、下市場、西野新田などがありました。とても水郷情緒が残る地域であり、文豪吉川英治が「東海の潮来」として絶賛した田園風景が広がる地域でもあります。地区内には、多くの文学碑が建立された鹿島神社文学苑、吉川英治文学碑、小酒井不木生誕地などもあり、町内でも随一の文学を楽しめる地域でもあります。
鍋蓋新田地区です。蟹江町最南端部に位置する地域で、水郷景観が残るところでもあります。江戸時代享保12年名古屋材木商兼山与一が請負新田として開発干拓されました。江戸時代の『尾張徇行記』によれば「農屋ハ善太川堤ヨラヒ、無高小百姓ハカリナリ」と記されています。春先に日光川堤防沿いにアブラナ、善太川堤防沿いに浜大根の花絨毯に覆われる景色が圧巻です。
蟹江町内のまち歩きや歴史散策を楽しむ名所などを紹介しています。
写真は須成朝祭です。8月に執り行われる祭で、約400年の歴史を誇る伝統行事です。ここでは、町内で執り行われる祭や花名所、自然景観など、月々のまち歩きの名所を紹介しています。
まち歩きは、町内で開催されるいろんなイベントに参加すると面白いです。画像のように「こんなところでカワセミが見られる」など想定外の出会いや発見もあって新鮮に感じますね。蟹江町は「水郷の里」と云われる豊かな景観もあります。川巡りを行いながらの町観察も面白いですよ。町内巡りの手段として蟹江町が運行している「お散歩バス」を利用するのも良いかと思います。
写真は藤丸桜です。地元の桜並木、各地にも花名所があると思います。いろんな花名所に訪れてきました。あまり写真撮影は上手くないですが、季節の移り変わりを花で紹介したいと思います。
2004年12月から2016年2月までの蟹江町内で開催されているイベント及びまち歩き、祭や花見物の情報をblog版で順次更新してきました。関心があれば、よろしければ画像をクリックの上、ご覧くださいね。
2014年7月からの蟹江町内散策情報のblog版は、こちらの方をご覧くださいね。